3 -
DDSでエンジン、車両とABS各コントロールユニットの故障メモリー点検
"ガイド診断"に説明されている手順に従って、エラーがあるか確認します。( セクション6 - 11)
エンジンオイルレベルの点検
エンジンオイルの量は、エンジンオイルパンの右側にある点検窓 (1) から見ることができます。
エンジンを切った後、オイル液面が安定するまで数分待ってください。
オイルレベルの点検は、車体を垂直に保った状態で、停止したエンジンがまだ熱いうちに(ただしエンジンは切る)行ってください。
オイルレベルは、MIN と MAX のゲージの間に維持されていなければなりません。 オイル量が不足している場合は、オイルを補充する必要があります。
フィラー(2) を外し、規定オイルを所定のレベルまで補充してください。
フィラープラグ(2)を取り付けます。
エンジンオイルとフィルターカートリッジの交換
参考
この作業はエンジンがまだ熱い状態(停止中)で行います。エンジンオイルが液状で、早くかつ完全に排出されるからです。
 
エキゾーストキャップ(3)をエンジンオイルパンからシール(A)と一緒に取り外し、使用済みのオイルを抜き取ります。
警告
使用済みのオイルおよびフィルターカートリッジは環境内に放置せず適切に廃棄してください。
エキゾーストキャップ(3)の磁気チップに金属片が何も付着していないことを確認し、キャップのネジ山を清掃します。その後、 ネジ山にTHREE BOND TB1215塗布し、該当するシール(A)と共にエンジンオイルパンに締め付けます。
エキゾーストキャップ(3)を20 Nm(最小 18 Nm - 最大 22 Nm)のトルクで締め付けます( セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)。
ツール(部品番号:88713.2906)を使用してオイルフィルターカートリッジ(4)を取り外します。
重要
取り外したフィルターを再度使用することはできません。
 
エンジンオイルをシールにさしながら、ツール(部品番号:88713.2906)を使用して新しいオイルフィルターカートリッジ(4)を取り付けます。
 
参考
そのほか、フィルターカートリッジ(4)を取り付ける前にエンジンオイルを補充することをお勧めします。 このようにすると、オイルを再び補充しなくても必要なオイルレベルが得られます。
所定の位置に11 Nm (最小10 Nm - 最大12 Nm)のトルクで締め付け固定します。 ( セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)
オイル交換を 2 回行うごとに、オイルインテークのメッシュフィルターを清掃することをお勧めします。
キャップの外側(6)の4本のスクリュー(5)を緩め、を取り外します。
フィルターエレメント(7)を抜き取り、ORシール(8)及び(9)を検査し、必要ならば交換します。
コンプレッションエアーとガソリンでフィルターを清掃します。その際、ネットを裂かないように注意してください。
ORシール(9)をエンジンクランクケースに、(8)をフィルターエレメント(7)の上に置きます。
フィルターエレメント(7)を再度取り付けます。
キャップ(6)に、図に示したように液状シールを塗布します。
フィラー(2)を取り外し、点検窓(1)のMAXの印に達するまで規定オイル(セクション  3 - 2 補給および潤滑油)を補充します。
フィラー(2) を閉め、エンジンを数分間アイドリングさせます。
オイル漏れがないことを確認し、インストルメントパネル上のエンジンオイルランプがエンジン始動後数秒で消灯することを確認します。 そうでない場合は、エンジンを切り、必要な点検を行ってください。
数分後、オイルが規定のレベルになっていることを確認します。 必要に応じて MAX レベルまで補充します。
外側のキャップ(6)の固定スクリュー(5)を10 Nm (最小9 Nm - 最大11 Nm)のトルクで締め付けます( セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)
 
バルブクリアランスの点検
バルブクリアランスの点検を行うには、ヘッドの カバーの作業を行う必要があり、そのため以下に示されたパーツを取り外してください。
 
アクセルコマンドケーブルを切断せずに、適宜支えながら、フィルターボックスを取り外します。
タイミングベルトフォルダーカバー上部の固定スクリューを緩めます。
クランクシャフトの位置にあるカバー(2)の2 本の固定スクリュー(1)を緩めて外します。
ツール(部品番号:88713.0123)のハンドルをジェネレーターカバーの穴に差し込み、クランクシャフトを回し、点検するバルブをニュートラルの位置にします。
バルブが停止位置にある状態で、ロッカーシュー(A)及びカム(B)の最下部にフィラーゲージを挿入し、クリアランスが規定通りであることを確認します。
クリアランスの規定値は次のとおりです。
 
バルブが停止位置にある状態で、クロージングロッカーアーム(C)及びカム(D)の最上部にフィラーゲージを挿入し、クリアランスが規定通りであることを確認します。
 
測定値が規定値以外の場合は、オープニング調整シムまたは/およびクロージング調整シムを"バルブの分解"
(セクション 9 -  4.5 )の記載に従い、適切なツールを使用して、規定クリアランスのものと交換します。
参考
スペアパーツは、オープニング1.8 から3.45、クロージング2.2 から4.5 の調整ロッカーアームが用意されています。 調整シムのサイズはシム自体に記されています。
 
オルタネーターのカバーの穴からツール88713.0123のレバーを取り外します。
Oリング(3)がカバー(2)に取り付けられているかを確認します。
二つの固定スクリュー(1)を10 Nm (最小9 Nm ミ 最大11 Nm) のトルクで締め付け、カバー(2)を再度取り付けます( セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)。
 
タイミングベルトの交換
タイミングベルトの交換は、"可動式テンショナー/タイミングベルトの取り外し"及び"タイミングベルトの取り付け"に書かれている手順に従ってください( セクション9 - 4.2)。
 
スパークプラグの交換
中央電極のセラミック絶縁部の色を点検します
明るい茶色はエンジンの状態及びヒートレーティングが良好であることを示しています。
中央電極の摩耗状態、電極間の距離の点検: 0.8±0.1 mm
重要
中央電極とサイドの電極とのギャップを確認します。 この値が規定の範囲にない場合や、スパークプラグにカーボンが付着している場合は、交換することをお勧めします。
重要
熱価が不適切なスパークプラグや、ネジ部の長さが規格に合っていないスパークプラグを使用しないでください。
スパークプラグはしっかりと固定する必要があります。
緩んでいると、加熱してエンジンに損傷を与える恐れがあります。
 
スパークプラグタイプ
メーカー: NGK
タイプ: MAR9A-J / MAR9C-J
 
 
バーチカルヘッドスパークプラグで作業を行うには、スクリュー(1)(2)を緩めてタンクを持ち上げ、タンク下部にドリフトを設置します。
フューエルセンサーコネクター(3)、フューエルポンプコネクター(4)、およびフランジクイックコネクター(5)を切り離します。
ホリゾンタルヘッドスパークプラグで作業を行うには、ラジエーターを少し上に持ち上げてスクリュー(6)を緩めます。
両方のスパークプラグのナット(8)を緩めて、スパークプラグ-コイルのケーブル(7)を取り外します。
ツール番号88713.2877を使用してスパークプラグを交換します。
所定の位置にコイル-スパークプラグのケーブル(7)を置き、10 Nm (最小 9 Nm - 最大11 Nm)のトルクでナット(8)を締め付けます( セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)。
ウォータークーラーを10 Nm ±10%のトルクでスクリュー(6)で締め付け、サポートに固定します( セクション3 - 3、フレーム締め付けトルク)。
フューエルセンサーコネクター(3)、フューエルポンプコネクター(4)、およびフランジクイックコネクター(5)を接続します。
フューエルタンクを取り付け、スクリュー(1)及び(2)を10 Nm ±10%のトルクで締め付けます(セクション 3 - 3, フレーム締め付けトルク)。
 
エアフィルターの交換と清掃
エアーフィルターは"メンテナンスプログラム" (セクション4 - 2)に示されている規定の期間で交換しなければなりません。
 
車両の右側の作業をするとき、インレット(2)の固定スクリュー(1)を緩めます。
インレット(2)を取り外します。
フィルターボックスの所定の位置からフィルターカートリッジ(3)を取り外します。
圧縮空気のジェットでエレメントフィルターを清掃するか、又は、交換します。
重要
フィルターの目詰まりは、空気のインテーク量を減少させ、燃料消費量の増加、エンジンパワーの減少、およびスパーグプラグ内の付着物の原因となります。 フィルターが装備していない状態で車両を使用しないでください。空気中の異物がエンジン内に侵入し故障の原因になることがあります。
 
フィルターボックス内の所定の位置にカートリッジを正しく取り付け、ラバー(4)のついたサクションホース(2)を所定の位置に置きます。
スクリュー(1)を3.5 Nm ±10%のトルクで締め付けます。(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)。
重要
特に埃の多い路面や濡れた路面を走行した場合には、規定頻度よりも頻繁に交換を行ってください。
 
ホリゾンタルタイミングベルトカバー(5)のエアフィルター(4)を点検します。
ホリゾンタルタイミングベルトカバー(5)の固定スクリュー(6)を緩め、ホリゾンタルヒートユニットから取り外します。
スクリュー(7)を外し、フィルター(4)を取り外します。
点検後、フィルター(4)を再度取り付け、スクリュー(7)を(締めずに)取り付け、 プラスチックフォルダーの場合には10 Nm (最小9 Nm - 最大11 Nm)のトルクで、カーボンフォルダーの場合には6 Nm (最小5.5 Nm - 最大6.5 Nm)のトルクで、 ホリゾンタルタイミングベルトカバー(5)をホリゾンタルヒートユニット(6)に取り付けます(セクション3 - 3, エンジン締め付けトルク)。
 
クーラントレベルのチェック
車両の右側にある拡張タンク内のクーラントレベルは、"メンテナンスプログラム" (セクション4 - 2)に示されている規定の期間毎に点検しなければなりません。
クーラントレベルは、フューエルタンクに示されているMAXとMINの間になければなりません。
クーラントレベルが低い場合は、規定のクーラントを補充する必要があります。
フィラー(1) を外し、規定のクーラントを規定のレベルまで補充してください。
プラグ(1)を閉めます。
動作性を最高の状態に保つ(混合液の凝固点が-20℃ に相当)には、クーラントを以下の割合で水と混ぜなければなりません。
不凍液: 体積の3540%
水: 体積の6560%
重要
ミネラル分を高い割合で含む硬水は、エンジンをこしょうさせる原因となります。
寒冷地では、不凍液の割合を体積の55%まで増やすことができます。
重要
不凍液の割合が30%以下の溶液の場合、腐食に対して十分な保護ができません。
クーラントの交換
警告
この作業はエンジンが冷たい状態でおこないます。 エンジンが熱い状態で作業すると、クーラントが外に漏れたり、蒸気で深刻なやけどを負う可能性があります。
 
エンジン下の容器を整理し、サイドスタンドに車両をのせます。
拡張フューエルタンクのインテークキャップ(1)を緩めます。
スクリュー(3)を外しバンド(2)を緩め、ホース(4)を外し、容器内にクーラントを流します。
ポンプカバーのクーラント排出口からプラグ(5)を緩めます。
クーラントを完全に流し出します。
クーラント排出口に新しいシールと共にプラグ(5)を取り付けます。
プラグ(5)を19 Nm ±10%のトルクで締め付けます( セクション3 - 3、フレーム締め付けトルク)。
リモートプラグから新しいクーラントを充填し、負荷回路に進みます。
バンド(2)にホース(4)を取り付け、1 Nm ±10%のトルクでスクリュー(3)を締め付けます。( セクション3 - 3、フレーム締め付けトルク)
内部のすべての導管にクーラントが行き渡るまで数分待ちます。
エンジンをスタートさせ、クーラントの温度を110 ℃に持っていき、 エンジンを約10分間作動させます。
回路にある空気を排出させるため、エンジンを冷やします。
警告
ウォータークーラーのファンに手、ツール、衣類を近付けないでください。予告なく自動で作動し、深刻なけがにつながる可能性があります。
重要
回路内に漏れがないことを確認します。
 
クーラントレベルをMAXの印より高くし、拡張フューエルタンクのロックで充填を終了します。
拡張フューエルタンクのインテークキャップ(1)を締め付けます。
 
ブレーキオイルの交換
警告
ブレーキシステムに使用されるオイルは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、 流水でよく洗い流してください。
フロントブレーキオイルの交換
スクリュー(3)を緩め、フロントブレーキフルードタンク(2)からインナーキャップ付きカバー(1)を取り外します。
タンク(2)内のオイルを抜き取ります。
次の作業をする再に、ブレーキフルードが飛び散らないようにするため、インナーキャップ(キャップなし)をタンク上に配置します。
ブレーキキャリパーのピストンを後に引きます: この作業を行うため、フォークレッグ上にキャリパーを固定しているスクリュー(4)を緩め、各キャリパーのパッドをそれぞれ離して押します。 作業中、フルードがタンクに戻るたびにフルードが吸入されなければならないため、フルードレベルに注意して下さい。
両キャリパーの全てのピストンを完全に引いた状態で、タンク内のフルードが全て抜き取られたら、端部を床に置いた容器に入れた透明のホースにブリードバルブ(5)をつなぎます。
新しいオイルをMAXの印に達するまでタンク(2)に注入します。
レバー端部を20~30mm引き、伸縮性の無いクランプでこのポジションを固定します。
ライダーから見た左側キャリパーのブリードバルブ(5)をゆるめ、オイルが排出されるように固定されているレバーを完全に引きます。
レバーはグリップに当たった状態です。
ブリードバルブ(5)を10 Nm ±10%のトルクで締め (セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)、レバーを離します。
上記の作業を古いオイルが全て排出されるまで繰り返します。
規定トルクで完全に閉じたブリードバルブの状態で、ブレーキシステムに圧力を感じるまでレバーを何度も引きます。
警告
古いフルードをタンクから抜き取った後、補充作業の間はオイルのレベルを常にMINの印より上に保ち、システム内で気泡が発生しないようにします。
 
リアブレーキシステムオイルの交換
リアブレーキオイルタンク(7)のキャップ(6)を取り外します。
ブリードバルブ (8) に透明のチューブを接続し、そのチューブの先端を床に置いた容器に入れます。
タンク(7)内のオイルを抜き取ります。
新しいオイルをMAXの印に達するまでタンク(7)に注入します。
ペダルを踏み、ブレーキシステムに圧力がかかるようにします。
ペダルを踏んだ状態を保ちます。
ブリードバルブ (8) を緩めて、オイルを抜き取ります。
ペダルは後方に全て踏み込んだ状態です。
ここで、ブリードバルブ(8)を14 Nm ±10%のトルクで締め付け (セクション 3 - 3, フレーム締め付けトルク )、ペダルを離します。 一度ペダルを踏みます。
上記の作業を古いオイルが全て排出されるまで繰り返します。
警告
古いフルードをタンクから抜き取った後、補充作業の間はオイルのレベルを常にMINの印より上に保ち、システム内で気泡が発生しないようにします。
ブレーキオイルの抜き取り
警告
ブレーキシステムに使用されるオイルは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、 流水でよく洗い流してください。
 
スクリュー(3)を緩め、フロントブレーキオイルタンク(2)からインナーキャップつきカバー(1)を取り外すか、もしくは、リアブレーキタンク(7)のキャップ(6)を取り外します。
フロント左キャリパーのブリードバルブ(5)またはリアキャリパーのブリードバルブ(8)に、市販されているブレーキ用ブリーダーを接続します。
参考
市販されているブレーキ用のブリーダーを使用する際は、メーカーの取り扱い説明書に従ってください。
 
ブリードバルブ (5) または (8) を緩め、ブレーキ系統からオイルが排出されなくなるまでブリーダーで吸引します。
ブリーダーが手元にない場合は、フロント左キャリパーのブリードバルブ(5) またはリアキャリパーのブリードバルブ(8)に透明のプラスチックチューブを接続し、そのチューブの先端を使用済みブレーキオイルの入った容器に入れ、床に置きます。
ブリードバルブを緩めます。
ブレーキレバーを引くかブレーキペダルを踏んで、オイルを完全に抜き取ります。
各ブレーキキャリパーについて作業を行います。
参考(フロントシステム)
フロントシステムでのこの作業では、キャリパーはフルードを充填した状態です。 キャリパーのフルードも抜き取る必要がある場合は、"ブレーキオイルの交換"で記載されている作業でピストンを後方に引き、ブリーダーが取り付けられた状態で、ブリードバルブを接続します。
参考(リアシステム)
ブリーダーがない場合は、"ブレーキオイルの交換"に記載されている作業でピストンを後方に引きます。
 
ブレーキオイルの補充
警告
ブレーキシステムに使用されるオイルは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、 流水でよく洗い流してください。
 
タンク(2)又は(7)に未開封の規定のオイルを補充します(セクション3 - 2, 補給および潤滑油)。
重要
作業の間は、常にタンクのオイルレベルをMIN以上に保ち、排出されたオイルの中に透明ホースの先端を入れた状態にします。
 
ブレーキレバーまたはペダルを引き、作業中は引いたままにします。
フロント左キャリパーのブリードバルブ(5)またはリアブレーキのブリードバルブ(8)に、ブリーダーを接続します。
参考
市販されているブレーキ用のブリーダーを使用する際は、メーカーの取り扱い説明書に従ってください。
 
ブリーダーで吸入し、ブリードバルブ(5)または(8)を緩め、タンク内のレベルが常にMIN より上であることを確認します。
システムから全てのエアは無くなるまで、この作業を続けます。
ブリードバルブ(5)を10 Nm ±10%のトルクで、ブリードバルブ(8)を14 Nm ±10%のトルクで締め付けます。(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)。
ブリーダーが手元にない場合は、ブレーキオイルの抜き取りと同じ手順で、ブリードバルブ (5)又は(8)に透明プラスチックチューブを接続します。
レバーまたはペダルを半分、またはブレーキに圧力を感じるまで引き、ブリードバルブを開き、それからレバーまたはペダルを完全に引きます。 ブリードバルブを規定のトルクで締め、レバー又はペダルを離します
重要
バルブをしっかり締めてからレバーやペダルを放してください。
 
システム内のオイルに気泡がなくなるまでこの作業を繰り返します。 このため、システムのすべてのバルブを対象に、一つずつブリードの作業を行います。
特に、ブリードバルブ(9)にも同じ作業を行い、フロントブレーキマスターシリンダーの最上部に溜まっているエアを抜き取ります。
最終的にブリードバルブを閉じた状態で、レバーまたはペダルでの圧力が正常にかかるかを点検します。
ブリードバルブ(5)を10 Nm ±10%のトルクで、(8)及び(9)を14 Nm ±10%のトルクで締め付け(セクション3 - 3,フレーム締め付けトルク)、プロテクションキャップを取り付けます。
オイルレベルを調整し、スクリュー(3)を締めてカバー(1)をタンク(2)上に、またはキャップ(6)をタンク(7)上に取り付けます。
 
クラッチシステムフルードの交換
警告
クラッチシステムに使用されるフルードは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、 流水でよく洗い流してください。
 
クラッチシステムフルードタンク(2)から被膜付きカバー(1)を取り外します。
タンク(2)内のオイルを抜き取ります。
新しいオイルをMAXの印に達するまでタンク(2)に注入します。
レバーを 2、3 度引いて、ブレーキシステムに圧力がかかるようにします。
レバーをグリップの方に引いたままにします。
ブリードバルブ (3) に透明のチューブを接続し、そのチューブの先端を床に置いた容器に入れます。
ブリードコネクター (3) を緩めて、オイルを排出させます。
警告
補充作業の間、オイルのレベルを常にMINの印より上に保ち、ブレーキシステム内で気泡が発生しないようにしてください。
 
ブリードバルブ (3) からオイルを抜き取り、排出されるオイルの色が変わるまで待ちます。 ブリードバルブ(3)を10 Nm ±10% のトルクで締め付け(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)、適切なレベルまでタンクにオイルを補充します。
クラッチシステムからのフルードの抜き取り
警告
クラッチシステムに使用されるフルードは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、流水でよく洗い流してください。
 
ブリードバルブ (3) に取り付けられている保護キャップを抜き取ります。
クラッチトランスミッションユニットのブリードバルブ (3) に、クラッチ用のブリーダーを接続します。
参考
市販されているクラッチ用のブリーダーを使用する際は、メーカーの取り扱い説明書に従ってください。
 
クラッチシステムフルードタンク(2)から被膜付きカバー(1)を取り外します。
ブリードバルブを緩め、クラッチシステムからオイルが排出されなくなるまでブリーダーで吸引します。
ブリーダーが手に入らない場合には、ブリードバルブ (3) に透明プラスチックホースを接続し、そのホースの先端を使用済みクラッチフルードの入った容器に入れ、床に置きます。
ブリードバルブを1/4回転ゆるめます。
クラッチレバーを引いて、フルードを完全に抜き取ります。
回路完全に空にするには、クラッチリターンのキャップを外すことを推奨します。
クランプ(A)を外し、サイドスタンドケーブル(B)からクラッチホース(4)を外します。
スクリュー(5)を緩め、内部に備え付けられているOリング(7)に注意しながらクラッチリターンユニット(6)を外します。
内側のピストンを押して、サイドキャップの内側に残ったオイルを完全に排出させます。
キャップを取り付け、固定スクリュー(5)を10 Nm ±10%のトルクで締め付けます(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)。
ブリードバルブ(3)を10 Nm ±10%のトルクで締め付けます(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)。
クラッチホース(4)をサイドスタンドケーブル(B)にとめ、ケーブルを溝(C)に取り付けます。
クラッチフルードの補充
警告
クラッチシステムに使用されるフルードは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、流水でよく洗い流してください。
 
未開封の規定オイル(セクション3 - 2, 補給および潤滑油)をタンクに補充します。
重要
作業の間は常に、オイルを規定のレベルに保ち、排出されたオイルの中に透明ホースの先端を入れておきます。
クラッチレバーを数回操作し、回路にフルードを注入し、エアを抜き取ります。
ブリードバルブ (3) にブリーダーを接続します。
参考
市販されているクラッチ用のブリーダーを使用する際は、メーカーの取り扱い説明書に従ってください。
 
ブリーダーをポンピングし、ブリードバルブ(3)を緩め、タンク内のレベルが常にMINの印より上であるかを点検してください。
ブリードバルブに接続された透明チューブに気泡が見られなくなるまで、 この作業を繰り返します。
ブリーダーが手元にない場合は、ブレーキオイルの抜き取りと同じ手順で、ブリードバルブ (3) に透明プラスチックチューブを接続します。
ブリードバルブを1/4回転開き、ブリードバルブ(3)からフルードが排出され始めるまでクラッチレバーを引きます。
レバーをいっぱいに引いたまま、ブリードバルブを最低1/4 回転緩めます。
数秒間待ってから、 ゆっくりとレバーを放し、同時にブリードバルブ (3) を閉めます。
重要
バルブをしっかり締めてからクラッチレバーを放してください。
 
透明チューブから排出されるオイルに気泡が見られなくなるまで、この作業を繰り返します。
ブリードバルブ(3)を10 Nm ±10%のトルクで固定し(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)、保護キャップを取り付けます。
オイルタンクの MINレベルのおよそ 3 mm上までオイルを充填します。
被膜付きカバー(1)を再び取り付けます。
ステアリングベアリングの遊びの調整
ハンドルバーに過度の遊びがある場合、またはフォークに軸方向のぶれがある場合は、ステアリングベアリングの遊びを以下の手順に従って点検し、調整します:
 
ステアリングヘッド上のステアリングチューブを固定しているクランプのスクリュー (1) を緩めます。
ステアリングヘッド上のフォークを固定しているクランプのスクリュー (2) を緩めます。
専用キー 88713.1058を使用して、調整ナット(3)を30 Nm ±5%のトルクで固定します(セクション 3 - 3、フレーム締め付けトルク)。
ナット(3)のサポートにステアリングヘッドをのせ、スクリュー(1)を18 Nm ±5%のトルクで、スクリュー(2)を10 Nm ±5%のトルクで締め付けます。( セクション3 - 3、フレーム締め付けトルク)
 
チェーンテンションの調整
車体を慎重に移動させ、チェーン上部のテンションが最も高い状態になるポジションを探します。
車両をサイドスタンドを使い駐車します。
サイドスタンドで駐車した状態のチェーン張力は、チェーン下部のアーム中央にツールを配置し、 指で押す程度の力でチェーンを下げて放ち、チェーンピンの中央部とスィングアームのアルミニウム部間を測定します。指で押す程度の力でチェーンを下げて放ち、チェーン中央部とスィングアームのアルミニウム部間(A)を測定します。
以下の数値でなければいけません。 3537 mm
テンション調整には、リアのはねよけを取り外します( セクション5 - 5、スプラッシュガードの取り付け)。
スイングアームにリアハブを固定している2本のスクリュー(1)を緩めます。
ピンレンチ(部品番号:88713.1038)の歯をエキセントリックハブ(2)に取り付けます。
適切なチェーンテンションが得られるまで、エキセントリックハブ(2)を回転させます。
チェーン側から見て、反時計回りに回すとチェーンテンションが増加し、 時計回りに回すとテンションが減少します。
重要
チェーンテンションが適切でないと、トランスミッションパーツの摩耗が早まります。
スクリュー(1)が取り外されている場合は、ヘッド下部とスレッドを規定グリースで潤滑し、スクリュー(1)を 35 Nm ±5%のトルクで1-2-1の順で締め付けます。(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)
警告
ライダーおよびパッセンジャーの安全を保つため、エキセントリックハブの固定スクリューを正しく締め付けることはとても大切です。(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)
リアのはねよけを再度取り付けます。( セクション5 - 5、スプラッシュガードの取り付け)
 
ブレーキパッドの摩耗点検と交換
警告
ブレーキシステムに使用されるオイルは、塗装を破損するだけでなく、目や皮膚につくと大変危険です。 万一接触した場合は、流水でよく洗い流してください。
重要
ブレーキパッドを交換した後で納車する時には、摩擦材をブレーキディスクに正しく密着させるために少なくとも 100 km はフロントブレーキを慎重に使用するようユーザーに伝えてください。
フロントブレーキパッドの摩耗の点検
パッド(1)の摩擦表面上にできた、キャリパーの目に見えるひびを点検します。
重要
片方のパッドだけが摩耗している場合でも、両方とも交換する必要があります。
パッド固定ピン(2)を時計回りの方向に回転させます。
セーフティピン(3)を抜き取ります。
パッドを固定しているピン (2) を外側に向かって抜き取ります。
キャリパーの間にあるパッド固定スプリング (4) を外します。
キャリパーピストンを完全に押し戻し、使用済みのパッドを広げます。
摩耗したパッド (1) を抜き取ります。
参考
"ガラス状"に光るようなパッドは交換します。
 
新しいパッド及び矢印が上に向くように調整した所定のばね(4)を挿入します。
パッドを固定しているピン(2)を挿入し、セーフティピン(3) で固定します。
パッド固定ピン(2)を反時計回りの方向に回転させます。
ブレーキレバーを繰り返し動かして、ブレーキオイルの圧力でブレーキパッドを定着させます。
ポンプタンクのオイルレベルがMINの目盛りより下でないことを確認します。
オイルレベルが低い場合には、以下の手順で充填します。
ハンドルバーを回してタンクを水平にします。
スクリュー(7)を緩め、フロントブレーキフルードタンク(6)からインナーキャップ付きカバー(5)を取り外します。
規定のオイルをmaxの目盛りまで充填します。(セクション3 - 2, 補給および潤滑油)
リアブレーキパッドの摩耗の点検
2つのキャリパーの隙間からパッド上の磨耗材が最低1 mm見えるかを点検します。
重要
片方のパッドだけが摩耗している場合でも、両方とも交換する必要があります。
パッドの交換は次の手順で行います。
パッドを固定しているピン(2)からセーフティリング(1)を取り外します。
パッドを固定しているボルト (2) を外側に向かって抜き取ります。
キャリパーの間にあるパッド固定スプリング (3) を外します。
スクリュー(4)を緩め、リアブレーキキャリパーを取り外します。
キャリパーピストンを完全に押し戻し、使用済みのパッドを広げます。
摩耗したパッド (5) を抜き取ります。
新しいパッドを挿入します。
リアブレーキキャリパーを取り付け、スクリュー(4)を25 Nm ±5%のトルクで締め付けます。(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)
パッドを固定するばね(3)、リング(1)で固定した心出しピン(2)を挿入します。
ブレーキペダルを繰り返し動かして、ブレーキオイルの圧力でブレーキパッドを定着させます。
タンク内のブレーキフルードがMINMAX間であることを確認します。それ以外の場合は、タンクキャップ(6)を取り外してから補充します。
 
警告
ブレーキキャリパーは車体の安全に影響するため、セクション7 - 3, フロントブレーキシステムの取り外し, セクション7 - 4, リアブレーキコマンド一式の取り外し に示されている内容に従い、特に、締め付け、再度取り付け、リアブレーキキャリパーの固定スクリュー(4)を25 Nm ±5%のトルクで締め付けることに関しては特に注意しなければなりません。(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)
スロットルコントロールケーブルの調整
スロットルケーブルは、ハンドルバーのどの位置においても、スロットルグリップの遊びが1.52.0 mm なければなりません。
調整が必要な場合は、車体の左サイドにあるステアリングパイプの場所にあるアジャスター(1)及び(2)を調整します。
アジャスター(1)はスロットルコントロールを開けるときに作動し、アジャスター(2)は閉めるときに作動します。
アジャスターの保護カバー(3)を引き抜き、ロックナット(4)を緩めます。
両方のアジャスターを同程度に使用して、以下のように調整します。 時計回りに回すと遊び量が増え、反時計回りに回すと減少します。 調整が終了したらロックナットを締め、アジャスターに保護キャップ(3)を取り付けます。
スロットルのオープン(1)及びクローズ(2)コントロールケーブルの外側ガードの状態を定期的に点検する必要があります。 被覆につぶれた部分やひび割れた部分があってはなりません。
ケーブルの滑らかな動作を維持するために、規定グリースをトランスミッションのケーブルの先端に定期的に塗布してください。
 
スロットルグリップを動かして、インナーケーブルが滑らかに作動することを確認します。 摩擦やつかえがある場合は交換してください。
スロットルコントロールを潤滑するには、保護キャップ(A)を抜き取り、スクリュー(7)を緩め、スロットルコントロールのカバー(5)及び(6)を取り外す必要があります。
ケーブルの先端およびプリー(B)を規定のグリースで潤滑します。
ケーブルがプリー(B)に正常に取り付けられているか確認し、スロットルコントロールを注意深く閉めます。
ハンドルバーの所定の穴にカバー(5)及び(6)を取り付けます。
カバー(5)及び(6)を固定し、スクリュー(7)を10 Nm ±10%のトルクで締め付けます(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)。
 
クラッチレバーと フロントブレーキレバーの調整
レバー (1) でクラッチの接続を操作します。
この機種にはアジャスター(2)がついており、レバーとグリップとの間隔の調整が可能です。
レバーの間隔はアジャスター(2)の10クリックで調整できます。 時計回りに回すとレバーはグリップから離れます。 アジャスターを反時計回りに回すと近づきます。
レバー(1)を引くと、エンジンの回転がトランスミッションおよびホイールモーターに伝わらなくなります。 クラッチの適切な操作は、スムーズなライディング、特に発進時に重要です。
フロントブレーキコントロールレバー(3)も同様の調整が可能です。
警告
クラッチレバーとブレーキレバーの調整は、モーターサイクルを停止させた状態で行います。
ギアチェンジペダルとリアブレーキペダルの調整
ライダーの好みに合わせて、フットペグに対するギアチェンジペダルやリアブレーキペダルの位置を調整できます。
ギアチェンジペダルの調整は以下の手順で行います。
スパナでレンチ (A) を操作し、固定ジョイント (1) を固定してロックナット (2) を緩めます。
ギアチェンジレバーから可動ジョイント (3) の作業ができるように、スクリュー (4) を緩めて外します。
可動ジョイント (3) を回してギアチェンジペダルを好みの位置に合わせます。
ギアチェンジレバーを稼働ジョイント(3)にスクリュー(4)で固定し、スクリュー(4)を10 Nm ±10%のトルクで締め付けます。(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)
固定ジョイント (1) にロックナット (2) を締め付けます。
リアブレーキペダルの調整は以下の手順で行います。
ロックナット (5) を緩めます。
ペダルが好みの位置になるまで、調整スクリュー(6)を回します。
ロックナット(5)を5 Nm ±10%のトルクで締め付けます。(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)
ペダルを手で押して、ブレーキがかかり始めるまでに約1.52mmの遊びがあることを確認します。
規定の範囲内でない場合は、マスターシリンダーコントロールロッドの長さを次の手順で調整します。
ロッドの上にあるロックナット (7) を緩めます。
ロッドをフォーク (8) に締め込むと遊びが増加し、緩めると遊びが減少します。
ロックナット(7)を2.5 Nm ±10%のトルクで締め付け(セクション3 - 3, フレーム締め付けトルク)、再度遊びを確認します。
フロントフォークの調整(MTS 1200 ABS)
車両のフォークは、リバウンド/コンプレッションダンピング、およびスプリングプリロードの調整が可能です。
この調整はアウターアジャスターにて行います:
1) 油圧ブレーキのリバウンドダンピング調整
2) インナースプリングのプリロード調整
3) 油圧ブレーキのコンプレッションダンピング調整
 
サイドスタンドを立て、モーターサイクルを安定したポジションに保ちます。
リバウンドダンピングを調節するには、ドライバー(-)で、各フォークの上部に配置されているアジャスター(1)を回します。
油圧ブレーキのコンプレッションダンピングを調整するには、フォークレッグ上のアジャスター(3)をマイナスドライバーで回します。
アジャスタースクリュー(1)および(3)を回すと、カチッと言う音がし、その音が調整の1クリックに相当します。
アジャスターをいっぱいに締め込むと"0" 位置になり、ダンピングが最強にセットされます。 この位置から、反時計回りに廻してカチッという音でダンピングを 1クリック目、2クリック目、と数えます。
各軸の内部のスプリングプリロードを変えるには、アジャスターを六角ネジ(2)の先端に回転させます。時計回り一回転につ15mmのばねに対し1mmのスプリングプリロードに相当します。
標準設定は以下のようになります:
コンプレッション: 1.5回転
リバウンド: 2回転
スプリングプリロード (A): 15 mm
重要
両方のフォークを同じセッティングにしてください。
 
リアショックアブソーバーの調整(MTS 1200 ABS)
リアショックアブソーバーには、積載重量に合わせて車体の平衡状態を調整できるようアウターアジャスターを装備しています。
アジャスター (1) は、フレームのリザーバータンクに配置され、油圧ブレーキのコンプレッションダンピングの調整に使用します。
アジャスター(1)には、スクリュー(5)を緩めカバー(4)を外すと届きます。
アジャスター(2)は、ショックアブソーバーのスイングアームへの固定位置下部、左側にあり、リバウンド(リターン)の時点で油圧ブレーキを調整します。
アジャスター (1) と (2) を時計方向に回すとダンピングが強くなり、反時計方向に回すと弱くなります。
車体の左側にあるアジャスターノブ(3) を用いて、ショックアブソーバーの外部のスプリングプリロードを調整することができます。ノブに表示されている指示に従ってください。
標準設定: アジャスターノブを最小位置 (LOW) にします。
ショックアブソーバーのスプリングプリロード標準長: 162±1.5 mm
 
標準設定:
いっぱいに閉まった全閉ポジションから、時計回りに次のようにアジャスターを緩めます:
アジャスター(1)を1.5 クリック
アジャスター(2)を9クリック
スプリングプリロード: 18 mm (最大18 mm - 最小25 mm
警告
ショックアブソーバーには高圧のガスが充填されています。未経験者による分解作業は重大な損傷の原因となります。
重要
パッセンジャーと荷物を載せて走行する場合は、リアショックアブソーバーのスプリングプリロードを最大に設定すると、 車両の操作性を高め、地面との接触を避けることができます。 この場合、リバウンドダンピングの再調整が必要になることもあります。
車高のバリエーション
工場出荷時の車高は、DUCATI の技術者と試験者がさまざまな走行状態でテストを行い決定しています。 車高の調整は非常にデリケートな作業で、不適切な変更作業を行った場合、危険をもたらすことがあります。 このモーターサイクルは、競技用にも頻繁に用いられることがあるので、DUCATI はリアサスペンションおよびステアリングの調整が可能な方法を採用し、どのサーキットにも適用できるようにしました。
 
インストルメントパネルを通じて、ライダーは4つの異なる装備配置を設定することができます。
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上記の装備のどれもが、それぞれ4つライディングスタイル(SPORT、 TOURING、 URBAN とENDURO)を選択でき、さらにその中の個々ののトラクションコントロール(DTC)、エンジン出力とサスペンションダンピングコントロールの初期設定が可能です。
装備配置の変更は、セクション 6 - 5 "Riding Mode (ライディングスタイル変更)"に従ってください。
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