4.5 -
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
 Spare parts catalogue
重要
この章の中で太字で記載されている部分は、本文の横の写真ではなく この分解立体図を参照する必要があることを示します。
 
エンジンヘッドの取り外し
ツール(部品番号:88713.2676)を使って、ヘッドのスタッドボルト上のナット(21)を緩めます。
多角ナット(21)及び専用ワッシャー(22)を取り外します。
エンジン上のスタッドボルトからヘッド一式を取り外します。
もう片方のヘッドも同様の要領で作業します。
バルブの分解
ロッカーアーム(3)を持ち上げ、ペンチを使用してバルブからオープンレギュレーター(5)を取り外します。
 
クロージングロッカーアーム(16)及び(4)、クロージングレギュレーター(7)を下方向に押します。
マグネットドライバーを使用してバルブ上のセミリング(6)を取り外します。 ペンチを使用してバルブからクロージングレギュレーター(7)を抜き取ります。
ヘッドの下部からバルブ(14)及び(11)を抜き取ります。
もう一方のヘッドについても、同じ作業を行います。
バルブロッカーアームの取り外し
前の章に記したヘッドの状態で、ロッカーアームを取り外します。
8つのキャップ(12)を緩め、シール(15)を回収します。
M6スクリューでエキゾースト及びインテーク側のオープニングロッカーアーム(3)のピン(2)を抜き取ります。
オープニングロッカーアーム(3)を取り外します。
ヘッドのスプリングと内部壁の間にあるロッカーアームスプイングテンショナーキット(部品番号:88713.2069)のパウルを使用して、リターンロッカーアームスプリング(19)及び(18)の直線状の先端を移動させ、ドリルバーに挿入します。
スプリングの先端を休止状態までバーを使用して持っていきます。
M6スクリューでエキゾースト及びインテーク側のクロージングロッカーアームのピン(1)を抜き取ります。
クロージングロッカーアーム(4)(16)、スプリング(18)(19)をスペーサー(17)と共に取り外します。
クロージングロッカーアーム(4)(16)、スプリング(24)(25)をスペーサー(23)と共に取り外します。
バルブガイドの先端から密閉リング(8)を取り外します。
もう一方のヘッドについても、同じ作業を行います。
ヘッド構成部品の点検
ヘッド
燃焼室とダクトに付着しているカーボンを取り除きます。
クーラント内部の付着物などを取り除きます。
ひび割れがないことと、シール面に溝や傷などの損傷がないことを確認します。
シリンダーとのカップリング面に炭化物や付着物がないことを確認します。 平らでない場合は、接触面にダイヤモンドコーティングサスペンションを塗布し(6~12ミクロン厚み)、図のようにヘッドを動かして、平面が均等になるまで整えてください。
バルブの位置
バルブシートを目視点検します。 腐食やひび割れなどがあってはなりません。
軽い傷がある場合は、45°及び60°の一枚刃のフライス盤を使用して切削をおこなうことができます。 その後バルブの研磨をおこない、密閉性を確認します。
損傷が重度の場合は、バルブシートを交換します。スペアパーツは0.03および0.06mm 外径が大きめのバルブシートを用意します。
重要
バルブシートを交換する際は、必ずバルブガイドも交換します。
 
以下の手順で作業します。
ヘッド上の穴を傷つけないよう慎重に切削しながら摩耗した部分を取り除きます。
ヘッド上の穴の径を確認し、取り付けの干渉が0.040.10 mmであることを考慮して最も適したバルブの位置を決めます。
シリンダーヘッドをゆっくり均等に150 ℃ まで加熱し、新しいバルブシートをドライアイスで冷却します。
バルブガイド88713.2846及び88713.2847の専用ペンジを使用してバルブシートを完全に所定の位置に差し込みます。
ヘッドを冷まし、以下の数値を参考にシートの作業をおこないます。
CA = Ø41.6Å}0.025 mm
CS = Ø33.6Å}0.025 mm
S = 1.2 mm
D = 0.2~0.4 mm
重要
最終切削の後、研磨ペーストを使用しないでください。
吸入ダクトとインテークバルブシートの接続をおこなうことを推奨します(F = 接続前 G = 接続後)。
バルブガイド
ガイドバルブの内部表面を点検します。 ひび割れや変形などがあってはなりません。
ガイドバルブの正確なサイズの点検をおこないます。 内径測定には、内部にゲージを配置する必要があります。
ガイドバルブのいくつかの場所の径を測定します。
取り付けのカップリングクリアランスは以下の値でなければなりません。
最大値 - 最小値 = 0.030.045 mm
摩耗最大許容値は0.08mm です。
バルブの軸が基準以上に極度に楕円化していたり、遊びが大きすぎる場合は、ガイドバルブを交換します。
バルブガイドを交換する場合は、バルブも交換する必要があります。
外径が0.030.06及び0.09 mm大きいガイドバルブのスペアパーツがあります。
以下のように交換の作業を進めます。
-
ヘッドをゆっくりと均等に150℃ まで加熱します。
-
元のガイドバルブをペンチ(部品番号:88713.2842)を使用して取り外します。
-
-
ヘッドに取り付けたとき0.0220.051mm重なるように、最も適切なバルブガイドを選びます。
-
-
A= 22.4±0.15 mm
B= 28.45±0.15 mm
カップリング面をできるだけ平面にするようリーマーで仕上げます。
バルブの点検
バルブステムおよびバルブシートとの接触面の状態を点検します。
斑紋、ひび割れ、変形、摩耗などがあってはなりません。
警告
研磨によってバルブ形状を修正することはできません。
次のような点検を行ってください。
バルブステムについて、バルブガイド内を移動する部分の異なる高さ数箇所で直径を測定します。
"V"字の接合部に置き、コンパレーターで変形の大きさを測定し、バルブステムの屈曲を確認します。
整備限度値: 0.053 mm
ダイヤルゲ-ジをヘッドに直角に当てて"V"ブロックのバルブを回し、45° ヘッド面のステムとの同心度を点検します。
-
-
プルシアンブルー、又は、鉛丹とオイルの混合物を使用して、バルブとシートの間の接触面(w)が1.41.6 mm (新品の場合1.051.35 mm)であることを確認します。 測定値が限度値を超える場合は、シートを研削します。
バルブ密閉性の点検
シートの作業後、バルブ及びシートの密閉性を確認することは重要です。 シートの接触面(S)がバルブ(W)に対して45°を超える場合、密閉性を確認した方がよいでしょう。
ロッカーアームの点検
作動面の状態を点検します。摩耗、溝、クロムの剥落などがあってはなりません。
ロッカーアームの穴およびシャフトの状態を点検します。
取り付け時のクリアランス: 0.0250.049mm
摩耗許容値: 0.08mm
オープニング及びクロージングレギュレーター-スプリング
バルブのクロージング及びオープニングレギュレーターの作業面の状態を点検します。 摩耗があってはなりません。
クロージングロッカーアームのリターンスプリングの状態を点検します。 亀裂、ひずみ、およびスプリングの紛失があってはなりません。
ヘッドユニットの組み立て
エキゾースト側は3つのスレッド付き穴がフランジにあることで識別されます。
インテーク側は4つのスレッド付き穴がフランジにあることで識別されます。
この章のすべての図はバーチカルヘッドに関連しています。
ガイドバルブの密閉リング
所定のサポート(部品番号:88713.2103)にむき出しのヘッドを取り付けます。
ガイドバルブの密閉リング(8)をエンジンのイルで潤滑し、ツール(部品番号:88713.2442)上のスプリングを備えた側に挿入します。
バルブガイドにツールの先端を挿入し、ハンマーでオイルシール (8) をバルブガイド上に取り付けます。
クロージングロッカーアームの取り付け
ロッカーアームにカムシャフトおよびレギュレーターとの接触部分に引っかき傷や損傷がないか点検します。
クロージングロッカーアームピンの径は10mmで、オープニングロッカーアームピンの径は9mmです。
M6スクリューを使用して、クロージングロッカーアーム(1)をヘッドのエキゾースト側に配置します。
ピンにスペーサー(17)を取り付けます。
スペーサー(17)にスプリング(18)を取り付けます。
クロージングロッカーアーム(16)を取り付け、ピンを奥まで押します。
スプリング(19)と共にクロージングロッカーアーム(4)を取り付けます。
スプリング(18)及び(19)の巻き上げをツール(部品番号:88713.2069)を使用して、それぞれクロージングロッカーアーム(16)及び(4)に対して行います。
インテーク側で示したように、クロージングロッカーアーム(4)及び(16)、スプリング(24)及び(25)、及び該当するピンをエキゾースト側に挿入します。
参考
常にインテーククロージングロッカーアームの前にエキゾーストクロージングロッカーアームを取り付けます。
警告
取り付けの際にはインテークスプリング付きクロージングロッカーアームのガイドを傷つけないでください。
バルブ、クロージングレギュレーター及びセミリングの取り付け
2つのインテークバルブシート(1)、及び、2つのエキゾーストバルブシート(B)を入念に清掃します。
2つのインテークバルブ(14)のロッド、及び、2つのエキゾーストバルブ(11)のロッドをエンジンのイルで潤滑します。
バルブをヘッドの所定の位置に挿入し、奥まで差し込みます。
クロージングロッカーアーム(16)を下方向に押したまま、クロージングレギュレーター(7)をロッカーアームに当たるまでバルブのロッドに挿入します。 使用済みヘッドの場合は、元のレギュレーターの取り付けからおこなってください。
バルブの溝(T)に新しいセミリング(6)を挿入し、レギュレーター(7)の内部の位置を保てるようロッカーアームを離します。 クロージングロッカーアーム(16)を回転させ、スプリングをいっぱいまで押し付けながら、バルブ、シムおよびスプリットリングを閉じた状態のバルブに保持します。 ロッカーアームを素早く取り外し、スプリットリングを調整バルブに正しく取り付けてください。
 
反対側のバルブについても同じ作業を行い、バルブロッドの先端がレギュレーター(7)の表面と直線上にあることを確認します。 そうでない場合は、セミリングの取り付け作業を繰り返します。
エキゾーストバルブで示した方法と同様にインテークバルブ(14)にクロージングレギュレーターを取り付けます。
カムシャフトを取り付け(セクション9 - 4.4、カムシャフトの取り付け)、クロージングバルブの遊びの点検をおこないます(セクション9 - 4.1、バルブクリアランスの点検と調整)。
オープニングレギュレーター及びオープニングロッカーアームの取り付け
M6スクリューを使用し、クロージングロッカーアームピン(2)(径9mm)を取り付けます。
オープニングロッカーアーム(3)を取り付け、ピンを奥まで押します。
4つのロッカーアーム(3)を上記に示した方法で取り付けます。
クロージングロッカーアーム(3)を持ち上げ、バルブロッドに当たるまでオープニングレギュレーター(5)を取り付けます。
レギュレーターに置き、ロッカーアームを離します。
ロッカーアームのガイド(A)にナイロンハンマーで控え目に打ち、ロッカーアームのガイド(A)にレギュレーターが合うように取り付けます。
カムシャフトを取り付け(セクション9 - 4.4、カムシャフトの取り付け)、オープニングバルブの遊びの点検をおこないます(セクション9 - 4.1、バルブクリアランスの点検と調整)。
ヘッド側に向けたシャープ(T)の側に(できれば)向けてシール(15)をキャップ(12)に挿入します。
規定ネジロック剤をキャップ(12)のスレッドに塗布します。 最初の2つのスクリューのスレッドに円周の半分(約180°)に均一にネジロック剤を塗布します。
 
キャップを15 Nm (最小14 Nm - 最大16 Nm)のトルクで締め付けます。(セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)
参考
締め付けの後、余計なネジロック剤を取り除きます。
 
ヘッド一式の取り付け
警告
シリンダーとクランクケースの接続部分でオイル漏れが生じないよう、ヘッドを取り外すたびに、クランクケースとシリンダーの清掃を行う目的でシリンダー/ピストンも取り外す必要があります。必要に応じてシールとOリングに損傷が見られる場合は交換し、再度液体ガスケットを塗布します(セクション9 - 5、シリンダー/ピストンユニットの取り付け)。
 
バーチカルヘッドを取り付ける前に、ヘッドとシリンダー間の接触面にシールがあることを確認します(セクション9 - 5、シリンダー/ピストンユニットの取り付け)。
参考
シールの取り付けの際には、コード番号が刻印されているサイド(E)がヘッドに接触するように取り付けなければなりません。
スレッド部分に傷を付けないよう注意してボルトにヘッドを挿入します。
多角ナット(21)及び専用ワッシャー(22)をボルトに取り付けます。
トルクレンチとセットになっているツール(部品番号:88713.2676を使用して、十字の順にボルトに多角ナット(21)を締め付けます。
ナット(21)に20 Nmのトルクで接近締め付けをおこないます。 仮締め付けは40 Nm (最小38 Nm - 最大48 Nm)のトルクで、 締め付けは60 Nm (最小57 Nm - 最大63 Nm)でおこないます(セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)。
 
1