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 Spare parts catalogue
重要
この章の中で太字で記載されている部分は、本文の横の写真ではなく この分解立体図を参照する必要があることを示します。
クラッチユニットの概要
クラッチを解放するときは、ジェネレーターカバーに固定されているサポートの内部で、クラッチトランスミッションユニットのピストン (C) が作動します。 このピストン (C) は、ギアチェンジメインシャフト内に取り付けられた制御ロッド (B) を押します。するとこのロッドが、クラッチプレートパック (9) の先端にあるプレッシャープレート (4) を動かします。
クランクシャフトからギアチェンジメインシャフトへの動力伝達は、クラッチハウジングに固定されているギアと、プライマリーギア (A) を介して行われます。
クラッチハウジングには、ドライブプレートとドリブンプレートで構成されたプレートパック (9) が入っています。クラッチを操作すると、ギアボックスメインシャフトにはめ込まれているクラッチドラム (12) がドリブンプレートによって引き離されます。
クラッチ内部部品の作業を行うときは、まず機能の異常を確認してから、その部分を集中的に調整するとよいでしょう。
クラッチやクラッチ解放システムの異常は、次のような原因によって発生します。
 
クラッチが切れない場合:
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クラッチが滑ってしまう場合:
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クラッチの雑音がひどい場合:
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クラッチの取り外し
参考
説明をわかりやすくするために、図中のエンジンはフレームから取り外されています。
 
固定スクリュー (1) を緩めて外し、プレッシャープレート (4) からリング (2) とスプリング (3) を抜き取ります。
ゴムリング(6)に注意しながらプレッシャープレート(4)を抜き取ります。
クラッチコントロールピン(14)及びベアリング(5)を取り外します。
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ツール(88713.3408)でクラッチドラム(12)を固定し、固定ナット(7)をゆるめます。
とベルビルスプリング (8) を外し、クラッチドラム (12) を抜き取り、とクラッチプレートパック (9) をクラッチハウジングから取り外します。
クラッチプレートパック(9)を取り出すときは、元の順序のままプレートをまとめておいてください。
スペーサー(13)を抜き取ります。
ベルビルスプリング (10) とフラットリング (11) をドラム (12) から抜き取ります。
クラッチ部品の点検と確認
クラッチハウジングとドライブプレートの間のクリアランス
ドライブプレート (E) をハウジング (F) の内部に組み入れ、すき間ゲージでクリアランス (S) を測定します。
クリアランス "S" は0.6mm 以下でなければなりません。
規定の値になっていない場合は、プレートを交換し、必要に応じてハウジングも交換します。
クラッチプレートの点検
クラッチプレートには、ヒートによる黒ずみ、溝、変形などがあってはなりません。
ドライブプレート (摩擦素材でできたもの) の厚さを測定します。 2.6mm 以上でなければなりません。
重要
プレートパックの厚さの合計は46.1 mm 以上でなければなりません。
 
プレートを平らな面の上に置き、フィラーゲージで変形の度合いを点検します。
平面との最大許容公差は 0.2mm です。
プレッシャープレートの点検
ベアリング(5)の状態を点検します。 過度な遊びが見られる場合は交換してください。
プレートパックのトップにあるドリブンプレートとの接触面を点検します。 著しい傷がある場合は、ヘッド面に関する記載の記述に従い表面を磨きます(セクション9 - 4.5、ヘッド構成部品の点検)。
プレッシャープレート(4)のショートスプリングガイド(G)及びゴムリング(6)の状態を点検します。
プレッシャープレートスプリングの点検
圧縮されていない状態のスプリング(3)の長さ(L)を測定します。
最小値:41mm
この値よりも短いスプリングはすべて交換してください。
クラッチの取り付け
スペーサー(13)を取り付けます。
クラッチドラム(12)に平面リング(11)及びカップスプリング(10)を取り付け、凸をドラムに向けます。
カップスリング(8)を取り付けます。
次の順序に従って、クラッチプレートパック (9) を組み込みます。
ドラム(12)に
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プレッシャーディスク(4)に
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ギアチェンジメンシャフトのネジ山と、ナット (7) の合わせ面に規定のグリースを塗布し、ナットをベルビルスプリング (8) の上に取り付けます。
ツール(部品番号:88713.3408)を使用してクラッチドラムを固定し、固定ナット(7)を190 Nm (最小180 Nm - 最大200 Nm)のトルクで締め付けます。(セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)。
クラッチコントロールピン (14) をベアリング(5)挿入し、ベアリングをメインシャフトに差し込みます。
センタリングツール(部品番号:88713.3352)上に2枚のプレートと共にプレッシャーディスク(4)を取り付けます。
プレッシャープレート(4) を取り付けます。
それぞれの穴にスプリング(3)を挿入します。
Oリング (2) を取り付けます。
固定スクリュー(1)のネジ山にオイルを塗布します。
スクリュー(1)を差し込みます。
スクリュー(1)を10 Nm (最小9 Nm - 最大11 Nm)のトルクで締め付けます。(セクション3 - 3、エンジン締め付けトルク)
 
 
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