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Hands Freeシステムの概要
Hands Freeシステムは、文字どおり「手が自由」という意味で、キーを使用せずにエンジンを点火することができます。 実際、キーがエンジンの近くにあれば十分で、たとえばライダーのポケットにキーがあれば車体を使用することができます。
従来の始動キーに比べ、Hands freeシステムは通常操作(始動/インストルメントパネル及びエンジンOFF)の最中に手が完全に自由になり、ステアリングロックの挿入/引き抜き、エレクトリックタンクキャップ(オプション)の開閉がキーを使用せずに行うことができます。
 
システムに使用されているエレクトリカルステアリングロックは、左右のすべてのポジンションにおけるハンドルをブロックし、車体駐車時における多機能性を高めています。
 
システムの部品を以下に示します。
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Hands freeシステムはCANラインを通してエンジンのその他のオンボードコンピューター(コントロールユニット)、インストルメントパネルに接続されています。この接続を通して、システムは始動したり(近くにあり、識別されているキー)、停止したり(キーがないか、識別されない-イモビライザーの機能)することができます。 インストルメントパネル(ダッシュボード)には、必要なメッセージが表示されます。例えば、キーのバッテリー残量残りわずか、あるいは、キーがない、など。
機能の原則
概説
Hands freeシステムは、ON/OFFスイッチがふたつあり、両方とも同じように使用するうことができます。 実用的な理由で、Hands freeシステムをカバーするプラスチック製プロテクションの下にあるスイッチ(タンクの前)ではなく、 ハンドルに設置されている方を使用するのがよいでしょう。
 
エンジンを点火するには、アクティブキー(ポケットに入れた状態でもよい)は透明のプレキシガラスの後ろに設置されているアンテナから1.5m以内になければなりません。 アクティブキーのバッテリーが不十分だったり、パッシブキーで点火する場合は、アンテナの上にキーを置いた状態でエンジンを点火する必要があります(キーを透明プレキシガラスの下に置きます)。
 
ステアリングロックが挿入され、キーが認識された場合、ON/OFFスイッチを押した時点で自動的にスイッチが切れます。
 
二つのON/OFFスイッチのうち一つを押すと、Hands freeシステムがキーにその内部にある電気回路に"目を覚ます"よう電波で信号を送ります。 この機能はキー内部にあるバッテリーが切れるのを防ぎ、バッテリーを使用しないとき、すなわち使用可能距離範囲にいない、あるいはエンジンが停止している時は、その内部回路はスタンバイの状態になります。 キーが"目覚め"信号を受信すると、内部回路が起動し、電波を通してHands freeシステムにアンロックコードを送信し始めます。 Hands freeシステムが受信するアンロックコードが正しいと、エンジンが始動し、インストルメントパネルに電源が入ります。
 
パッシブキー(又は送受信モードで使用しているアクティブキー)の使用方法は、アクティブキーに似ています。 しかし、送信するための電力を供給するバッテリーが内部にないので、そのエネルギーはHands freeシステムのアンテナから放出されます。 このため、電力供給を受け認識されるためには、パッシブキーが完璧に調整され、アンテナの近くにあることが重要です。 キー内部の電気回路がアンテナから電力を受け取ると、Hands freeシステムにアンロックコードを送信し始めます。 アンロックコードが正しいと、エンジンが始動し、インストルメントパネルに電源が入ります。
 
エンジンの装備として二つのキーが供給されます。 アクティブキーとパッシブキーです。 前者はバッテリーを装備し、Hands freeと離れた所からでも更新することができる一方、後者はアクティブキーが機能しないときのみに使用し、アンテナに直接置かなければなりません(送受信機能-緊急始動)。 キーの機械部分はシートロックとフューエルタンクキャップを開けるために使用します(エレクトリカルキーがない場合)。 以下に両方のキーを示します。
警告
フューエルタンクキャップやシートロックにキー(アクティブ又はパッシブ)を挿入したままで運転しないでください。機械部分または内部電気回路が損傷を受けることがあります。
警告
洗車中にキーを車両の上に放置しないで下さい。損傷の可能性があります(キーは防水対応していません)。
アクティブキーとパッシブキーの写真が掲載されています。 上から下へ
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エンジン点火方法
インストルメントパネルのスイッチを入れ、エンジンを点火するには、アクティブキーがエンジンの透明プレキシガラスの近く(1.5m以内)にある必要があります。その下には電波を受信するアンテナがあります。
インストルメントのスイッチを入れる方法
インストルメントパネルはハンドルにあるON/OFFスイッチ、又は、Hands freeシステムのボタンで、両者とも同じようにインストルメントパネルのスイッチを入れることができます。
 
エンジン停止状態では、ON/OFFスイッチは"RUN OFF"の位置にあります。
エンジン及びインストルメントパネル停止状態では、ON/OFFスイッチは"RUN OFF"の位置にあります。
 
インストルメントパネルのスイッチを入れるには、ハンドルにあるON/OFFスイッチを下方向に押します。 スイッチを離すと、自動的に"RUN OFF"の位置に戻ります。 キーを抜くと、、インストルメントパネル及びエレクトリカルステアリングロックが収納されます(前もって挿入されていた場合)。
ハンドルにあるON/OFFスイッチを下方向に押します。 スイッチを離すと、自動的に"RUN OFF"の位置に戻ります。 キーを抜くと、、インストルメントパネル及びステアリングロックが収納されます(前もって挿入されていた場合)。
 
インストルメントパネルはハンズフリーシステム上にあるON/OFFボタンを使用してもつけることができます。 この場合はタンク前部のプラスチック製プロテクション下部にあるボタンを1回押すだけです。
参考
USAバージョンには、小さな枠(1)は付属していません。
インストルメントパネルはハンズフリーシステム上にあるON/OFFボタンを使用してもつけることができます。 この場合はタンク前部のプラスチック製プロテクション下部にあるボタンを1回押すだけです。
 
インストルメントパネル起動10秒以内にキーを引き泣かないと、インストルメントパネルは自動的に消えます。
エンジン始動方法
エンジン停止、インストルメントパネル作動状態では、ON/OFFスイッチは"RUN OFF"の位置にあります。
エンジン及びインストルメントパネル作動状態では、ON/OFFスイッチは"RUN OFF"の位置にあります。
 
エンジンを点火するには、ON/OFFスイッチを"RUN ON"の位置に移し、黒い始動ボタンを押します。
ON/OFFスイッチを"RUN ON"状態に移し(一番上の位置)、黒い始動ボタンを押しエンジンを点火します。
黒いボタンを押し、車体エンジンを点火します。
アクティブキーが機能しない場合のエンジンの始動方法
キーを認識できないと、インストルメントパネルは起動しません。 アクティブキーが1.5m以内の作動範囲内にあること、そして、バッテリーが充電されていることを確認してください。 キーバッテリーの充電状態がわからない場合は、アクティブキー又はパッシブキーを透明プレキシガラスの下部に置き、キーをその位置に置いたまま通常の手順でエンジンを点火してください。
写真はパッシブキーまたはアクティブキーのバッテリーが無くなった場合にキーをどのポジションにするかを示しています。
キーなしでエンジンを点火する方法
キー(アクティブ又はパッシブ)なしでエンジンを始動する必要がある場合、Hands freeシステム(フューエルタンク前方のプラスチック製プロテクションの下)にあるボタンを押してインストルメントパネルを起動することが可能です。 ボタンを押すとインストルメントパネルが2分間起動し、エンジン点火に必要なPINコードを入力することが可能です。 さらに詳しい情報は、このセクションの"リカバリー手順及び緊急時 - Pin Codeによる始動手順(キーなし)"の章を参照してください。
エンジンを切る方法
エンジンを切るには、スイッチを"RUN ON"から"RUN OFF"に切り替えます。 これでエンジンが切れます。 そしてインストルメントパネルを消すには、ON/OFFスイッチを下方向に押します。 スイッチを離すと、自動的に"RUN OFF"の位置に戻ります。
ON/OFFスイッチを下方向に切り替得てエンジンを切り、"RUN OFF"にします("RUN OFF"状態)
スイッチを下方向に押し、インストルメントパネル機能を停止します。 インストルメントパネルは車両が停止(スピードが0 Km/hの時)にのみOFFになります。
 
インストルメントパネルは車両が停止(スピードが0 Km/hの時)にのみOFFになります。 車体が移動中は、インストルメントパネルも作動状態を維持します(例えば、エンジン停止状態で車体が下り坂を降りる場合)
 
車体が停止してない状態でインストルメントパネルを強制終了するには、Hands freeモジュール上にあるON/OFFスイッチをを一度押します。
 
インストルメントパネルを終了した後、エレクトリカルキー(オプション)を用いてステアリングロック、又は、フューエルタンクキャップのオープン機動の待機状態が60秒続きます。
ステアリングロックの起動/停止方法
インストルメントパネルを停止後、ステアリングロック起動に60秒の時間があります。 インストルメントパネルがOFFになってから60秒以上過ぎた場合は、(承認されたキーで)一度ONにしてからOFFにする必要があります。
 
ステアリングを制限いっぱい、右側、又は左側の位置にします。 ハンドルにあるON/OFFスイッチ、又はHands freeシステムのボタンを押します。 ステアリングロック起動の音が聞こえます。
 
あらゆる理由でステアリングロックが正常に機能しない場合は、数秒後ピンが自動的に収納されます(したがって、ステアリングブロックが停止されます)。
 
ステアリングロックを停止するには、キーが作動範囲内にある状態で、ハンドルのON/OFFスイッチを下方向に押すか、Hands freeシステムのボタンを押します。 インストルメントパネルが起動し、ステアリングロックが自動停止します。
 
車体が停止(エンジン及びインストルメントパネル)し、ステアリングがインストルメントパネル上のステアリングロック(右いっぱいまたは左いっぱいの位置)の正常起動位置になると、5秒間ステアリングロックが起動したことを示す表示が表れます。 起動を進めるには、ハンドルのON/OFFスイッチを下方向に押すか、Hands freeシステムのボタンを押します。
図はインストルメントパネルのサービスディスプレイ上に表示されるアイコンを示しています: この表示はステアリングロックを起動するのにステアリングが正常な位置にあることを示しています。
 
ステアリングロックが起動すると、以下のような表示が5秒間表れます。
図はインストルメントパネルのサークルゾーンに表示されるアイコンを示しています: この表示はステアリングロックの起動を示しています。
警告
車体バッテリーが充電されていないと、ステアリングをブロック、またはアンブロックすることはできません。 この場合、車体バッテリーを交換するか、始動ケーブルを通して外部バッテリーを接続する必要があります。
エレクトリカルロック(オプション)でフューエルタンクキャップを開ける方法
ンストルメントパネルを停止後、エレクトリカルロックでフューエルタンクキャップを開けるには60秒の時間があります。 インストルメントパネルがOFFになってから60秒以上過ぎた場合は、(承認されたキーで)一度ONにしてからOFFにする必要があります。
参考
ステアリングロックが起動すると、エレクトリカルロック(オプション)でフューエルタンクキャップを開けることはできません。 キャップを開けるには、インストルメントパネルを起動し、ステアリングロックを作動させないでもう一度インストルメントパネルを停止します(キーが作動範囲内にあり、識別されていること)。
 
インストルメントパネルが停止すると、フューエルタンクのエレクトリカルキャップのレバーが上に上がり開けることができます。
インストルメントパネル停止後60秒以内に図に示したレバーを上にあげ、エレクトリカルロックでフューエルタンクキャップを開けます。
キャップを閉めるには、所定の位置にキャップを戻し、軽く押します。 ロックされるとかちっと音がします。 エレクトリカルロックによるフューエルタンクキャップの閉鎖は、インストルメントパネル停止後60秒後でも可能です。 しかし、一度閉じると、インストルメントパネルを起動し再度停止されないと、キャップをもう一度開けることはできません。
リカバリー手順及び緊急時
以下に、誤作動や不具合後のHands freeシステムからのリカバリー手順、及び、緊急時の手順を示しています。例えば、キーをなくしたり、作動しなくなったとき。
キーがない状態でのリカバリー
インストルメントパネルが作動し、キーが前もって識別されているときは、Hands freeシステムは60秒ごとにキーの認識をおこないます。
 
エンジン停止、ハンドルのON/OFFスイッチが"RUN OFF"の位置にある場合は、10秒以内にキーが認識されないとインストルメントパネルは自動的に停止します。
 
エンジンが始動すると、車体は最初停止していますが(スピード0km/h)、その後5km/hのスピードを超えて動き始めます。このスピードを超えた時点でキーを識別できなくなり、Hands freeシステムはインストルメントパネルにキーがないことを表示します(例えば、ガレージのテーブルの上にキーを置いたままである)。
 
上記で示したように、車体は次のエンジン停止まで作動し続けます。 一度エンジンを切ると、キーなしでは始動できなくなります(忘れてきてしまった、失くしてしまった、あるいは正常に機能しない) この場合、PIN Codeを使用してのみ始動することができます(このセクション"Pin Codeによる始動手順(キーなし)" の中で手順の説明があります)。
図はインストルメントパネルのサークルゾーンに表示されるアイコンを示しています: この警告はキーがないことを示しています。
 
エンジンをパッシブキー、又は、アクティブキーの"transponder"(送受信)モード(バッテリーなし、又は、バッテリ充電不十分)で始動した場合、キーがないという表示がでるのが正常です。 実際、車体が始動し、キーが透明プレキシガラスの下部にあるアンテナから取り出した場合、エンジンは次の停止まで作動し続けますが、インストルメントパネルはキーがないという表示が表れます。 車体が停止した場合(エンジン及びインストルメントパネル)、アンテナの上にキーをのせないと再始動できません。
充電不足のアクティブキーバッテリーのリカバリー
アクティブキーのバッテリーの充電が少なくなってきているか切れてしまった場合、Hands freeシステムがインストルメントパネルにそれに関する警告を表示します。
図はインストルメントパネルのサークルゾーンに表示されるアイコンを示しています: この警告はアクティブキーのバッテリーが切れたことを示しています。
 
アクティブキーのバッテリー交換の手順については、この章の"アクティブキー" - "アクティブキーのバッテリー交換"の段落を参照してください。
アクティブキーはバッテリーが切れても機能します。 この状態では、アクティブキーはパッシブキーと同じ使用方法になります。 インストルメントパネル起動の最中、キーは透明プレキシガラスの下部に置く必要があります。
参考
アクティブキーのバッテリーを交換した後は、次のインストルメントパネルの起動時に再度バッテリー切れの表示が表れることがあります。 この表示は数秒後に消えます。
エレクトリカルステアリングロック不具合のリカバリー
エレクトリカルステアリングロックの起動時に不具合を点検する場合、 例えば、ピンがロックするか、あるいは、ピン自体が外にである間ステアリングが動くか、ピンを動かすエレクトリカルサブエンジンが必要以上に力がかかっていないか、エレクトリカルステアリングロックが自動的に停止し、Hands freeシステムがインストルメントパネルにその警告を表示するか点検します。
 
エレクトリカルステアリングロックの停止中に不具合が見つかると(例えば、ピンが収納されない)、インストルメントパネルのサービスディスプレイに以下のアイコンが表示されます。
図はインストルメントパネルのサービスディスプレイ上に表示されるアイコンを示しています: この警告はステアリングロックが正常に停止されなかったことを示しています。
Hands Freeシステム不具合のリカバリー
Hands freeシステムがCANネットワーク上で他のコントロールユニット(インストルメントパネルや点火エンジン)を更新できない場合、インストルメントパネルのサービスディスプレイに以下のアイコンが表示されます。
図はインストルメントパネルのサービスディスプレイ上に表示されるアイコンを示しています: この警告はHands freeシステムがCANネットワークに接続していない、又は、CANネットワークと交信できないことを示しています。
 
Hands freeシステムの不具合の場合、インストルメントパネルに以下のアイコンが表示されます。
図はインストルメントパネルのサービスディスプレイ上に表示されるアイコンを示しています: この警告はHands freeシステムに不具合が確認されたことを示しています。
 
エンジンが停止した状態ならば、不具合後エンジンを点火できない可能性があります。
エンジンが作動している状態ならば、Hands freeによってエンジンが切れることはありません。 次の停止後、再始動できなことがあります。
Pin Codeによる始動手順(キーなし)
キーがない場合、インストルメントパネル及びハンドルにあるスイッチ使用し専用の手順でエンジンを点火することができます。
参考
この方法はPIN codeをあらかじめ設定しておいた場合のみ可能です。 安全上の理由から、製造工場から出荷される時はPIN codeは設定されていません。
 
キーなしでインストルメントパネルを起動させ、PIN codeを用いて始動させるには(PIN codeが設定されている場合のみ)、 Hands freeシステム上(フューエルタンク全部のプラスチック製プロテクションの下)のON/OFFスイッチを1回押します。
 
PIN codeでエンジンが始動し、スピードが5km/hを超えると、インストルメントパネルにキーなしの表示が表れます。 この状態は正常で、何も問題はありません。
 
車体が停止すると(エンジン及びインストルメントパネル)、新たに始動するにはもう一度PIN codeを入力する手順を繰り返す必要があります。
Pin Codeによるエンジン始動の設定方法
PIN codeの設定/使用については、セクション6 - 5 "車両解除のための暗証番号入力機能" インストルメントパネルに関する段落を参照してください。6 - 5
Pin Codeの設定方法
PIN codeの設定については、セクション6 - 5 "PIN CODE起動機能” インストルメントパネルに関する段落を参照してください6 - 5。
Pin Codeのリセット方法
PIN codeをリセットすることができます。すなわち、DDS診断装置を使用して、車体を製造工場から出荷された時の状態に戻すことが可能です。 Pin Codeのリセット機能でこれをおこなうことができます。
一度Pin Codeがリセットされると、新しいPin Codeを設定する必要があります。 Pin Codeが設定されなかった場合は、アクティブキー/パッシブキーがない状態で車体始動されることができません。
パッシブキー、又は、充電切れのアクティブキーによる始動手順
パッシブキーで車体を始動する必要がある場合、あるいはアクティブキーのバッテリーが切れた場合、キー(アクティブ又はパッシブ)を透明プレキシガラスの下部に直接置く必要があります。 この位置にキーを置くことで、インストルメントパネルを起動することができ、その後上記に示した通常手順でエンジンを始動することができます。 エンジン始動後は、キーをその位置から離すことができます。 透明プレキシガラスの下部からキーが取り外され、エンジンスピードが5km/hを超えると、インストルメントパネルのキーなしの表示が表れます。 この状態は正常で、何も問題はありません。
写真はパッシブキーまたはアクティブキーのバッテリーが無くなった場合にキーをどのポジションにするかを示しています。
Hand Freeシステムのエレクトリカルシステムの分析
図は、Hands Freeシステムで使用されるインプット、アウトプット、コミュニケーションラインを示しています。
1I - Hands freeシステム上のON/OFFボタン(プラスチック製プロテクションの下)
2I - 車体のハンドルの右側にあるON/OFFボタン
3I - ステアリングポジションマイクロスイッチ
4I - ステアリングポジションマイクロスイッチ
5I - アクティブキー(遠隔送受信)
6I - パッシブキー(アンテナに置いた場合送受信)
1U - エレクトリカルフューエルタンクキャップ(オプション)
2U - Hands freeリレー(始動ブロック機能の代用)
3U - ステアリングロックアクチュエーター
1C - CANライン
2C - アンテナ経由のコミュニケーションライン(無先周波)
 
車体ネットワーク全体のシステム図を以下に示します。
以下にHands freeシステムのエレクトリカル系統全体及びピンの配置を示します。 Hands freeユニットに統合されているので系統図にエレクトリカルステアリングロックに関する部品は書かれていません。
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1A, 2Aアンテナ - キーとのコミュニケーション用アンテナ接続 - 青/黒(B/Bk)及び赤/黄色(R/Y)
フューエルタンクキャップコイル- フューエルタンクキャップコイルコマンド
写真はHands freeシステム側接続のピン配置を示しています。
Hands freeシステムの接続配置
写真はHands freeシステム側アンテナ接続のピン配置を示しています。
写真はHands freeシステム側のエレクトリカルロックによるフューエルタンクキャップ接続のピン配置を示しています。
 
Hands freeシステムはフューエルタンクの前にあり、プラスチック製プロテクションに覆われています。 プラスチック製プロテクションの下にはシステムに統合されたON/OFFスイッチが見えます。 このスイッチは車体のハンドルにあるスイッチと同じ機能で、ハンドルのスイッチが機能しない場合のみ、又は、キーなし始動の場合にのみ使用します。
写真ではハンズフリーシステムをカバーするプラスチック製プロテクションを見ることができます。
参考
USAバージョンには、小さな枠(1)は付属していません。
 
写真には、プラスチック製プロテクションを外したときのHands freeシステムのON/OFFスイッチが見えます。
 
Hands freeシステムでキーと交信するのに使用されるアンテナは、透明プレキシガラスの下後部、車体の前面にあります。
図は透明プレキシガラスの後ろのHands freeシステムのアンテナの位置を示しています。
 
従来の車体の始動ユニット機能に代わるHands freeリレー(キー下の電源を+15供給)は、前面左、フロントヒューズボックスの近くにあります。
図はハンズフリー(A)リレーのポジションを示しています。 車両の左側、前部のヒューズボックス近くにあります。
Hands Freeシステム部品の不具合分析
Hands freeユニット
概説
Hands freeユニットは、車体の他のオンボードコンピューター、ON/OFFスイッチ、ハンドルをいっぱいに切った状態を識別するスイッチ(ステアリングロック起動に使用)及び、ステアリングロックと交信するコントロールユニットを補完します。
ユニットは密封され、診断/修理又は、交換のために部品を取り出すことはできません。
エレクトリカルシステム配線図
Hands freeシステム内の補完部品については、エレクトリカル系統は利用できません。 エレクトリカル系統全体については、このセクションの("Hand Freeシステムのエレクトリカルシステムの分析")の章を参照してください。
エラーコード
"Hands free診断"エラー: "Locking steering": エレクトリカルステアリングロックシステムで不具合が見つかりました。 インストルメントパネルのサービスディスプレイ上に次のアイコンが表示されます:
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"Hands free診断"エラー: "EEPROM state": Hands freeシステムの内部メモリーに不具合が見つかりました。 インストルメントパネルのサービスディスプレイ上に次のアイコンが表示されます:
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電装系の仕様と部品の点検
Hands freeシステムは、すべての部品がそろっており、診断/修理又は交換のためにそれらの部品を取り出せない状態ならば、電気及び確認方法の特徴を示しません。
30Aの通常ヒューズを通してPIN 1上の12ボルトのバッテリーから電力が直接供給されます。
アースはPIN 2上にあります。
部品が故障している場合
Hands freeシステムのあらゆる不具合があると、エンジンが停止するか、始動できないことがあります。
Hands freeシステム内のエレクトリカルステアリングロックが起動または停止中に故障した場合は、システムは自動的に固定ピンを収納しようとします。 これが正常に行われないと、Hands freeシステムから弱い警告音が鳴ります。
取り付け位置
写真ではハンズフリーシステムをカバーするプラスチック製プロテクションを見ることができます。
写真には、プラスチック製プロテクションを外したときのHands freeシステムのON/OFFスイッチが見えます。
Hands freeシステムの下部にエレクトリカルステアリングロックの固定ピンが見えます。
写真には車体からフューエルタンクを取り外したときのHands freeシステムが見えます。 いっぱいに切ったハンドルの位置を認識するための二つのスイッチのうち一つを示しています。
部品の交換方法
Hands freeシステムの交換について、一切の合意や再設定はありません。 しかし交換後は、車体のキーを再設定する必要があります。 "キーのプログラミング/再プログラミング"の章を参照してください。
交信アンテナ
概説
交信アンテナはHands freeがアクティブキー又はパッシブキーを認識し、更新できるようにします。 アクティブキーは1.5m以内の範囲で認識され、パッシブキー(又はバッテリーの切れたアクティブキー)はアンテナがすぐ下に設置されている透明プレキシガラスの下部に直接置いた状態で認識されます。
 
アンテナに誤作動が起きると、キーの正常な認識ができません。
エレクトリカルシステム配線図
交信アンテナは2本のケーブル及び専用の接続を通して、Hands freeシステムに接続されています。
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エラーコード
"Hands free診断"エラー: "Antenna": アンテナが認識されない(回路オープン)又は、短絡が起きています インストルメントパネルのサービスディスプレイ上に次のアイコンが表示されます:
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参考
電気回路の完全性については、以下の項目を確認してください。
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Vcc又はアースに対してケーブル同士が短絡を起こしていないか確認。
Vcc側への短絡: 制御盤が作動している状態で電圧形を使用し、点検するケーブル及びアースの電圧を確認します。
アース側への短絡: バッテリーケーブルの接続が切断されている状態で絶縁抵抗計形を使用し、点検するケーブル及びアースの連続性を確認します。
オープン回路: バッテリーケーブルの接続が切断されている状態で絶縁抵抗計形を使用し、点検するケーブルの両端に連続性がないことを確認します。
 
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電装系の仕様と部品の点検
部品側の接続の両端の抵抗はおよそ2オームでなければなりません。
部品が故障している場合
部品が故障している場合、Hands freeシステムはキーを認識できません。 車体を始動するには、PIN codeを使用した手順でおこなう必要があります。
取り付け位置
図はHands freeシステムのアンテナの位置を示しています。
図はフェアリングの後部を表しています。 Hands freeシステムのアンテナを示しています。
アンテナ近くのHands freeシステムのアンテナ接続位置
Hands freeシステム近くのHands freeシステムのアンテナ接続位置
部品の交換方法
Hands freeシステムの交信アンテナの交換について、一切の合意はありません。
エレクトリカルロック付きオイルタンクキャップ(オプション)
概説
エレクトリカルロック付きフューエルタンクキャップはケーブルを通してHands freeシステムに接続しています。 ロックオープンはシステムから電気的にコントロールされ、エレクトリカルコイルの刺激でおこなわれます。
エレクトリカルシステム配線図
エレクトリカルロック付きフューエルタンクキャップは、2本のケーブルと専用接続を通してHands freeシステムに接続しています。
エラーコード
Hands freeシステムは、エレクトリカルロック付きフューエルタンクキャップの故障の場合、エラーコードを表示しません。
電装系の仕様と部品の点検
コイルはキャップオープンと同時に12ボルトの電力が供給されます。 Hands freeシステム自体がロックオープンさせるときは、Hands free側の電気接続の両端の圧力を測定してください。
部品が故障している場合
部品が故障している場合、キャップが閉じている状態ならば、燃料の入っているフューエルタンクに近付くため、キャップを取り外す必要があります。
取り付け位置
図はフューエルタンクキャップの位置を示しています。
部品の交換方法
エレクトリカルキャップ付きフューエルタンクキャップの交換は一切の合意がありません。
ハンドル上のON/OFFスイッチ
概説
ハンドル上のON/OFFスイッチは、キーがあることを確認された場合にインストルメントパネルを起動、停止させ、エンジンを始動させることができます。
 
スイッチが"RUN OFF"(中央の位置)の状態にあるときは、下方向に押すことでインストルメントパネルが起動又は停止します(スイッチ内部のボタンの作動)
エレクトリカルシステム配線図
ON/OFFスイッチ内部のボタンは、30Aのメインヒューズを通してバッテリーから12ボルトの電力直接供給されます。スイッチを押すとボタンの圧力を認識し、Hands freeシステムに12ボルトを送ります。 ON/OFFスイッチのPIN 8、水色ケーブル(Lb)、ON/OFFスイッチのPIN 5、赤色ケーブル(R)。
ケーブル側、ハンドル右のスイッチ接続のピン配置。
ハンドル右のスイッチ接続の位置
エラーコード
Hands freeはハンドルのON/OFFスイッチの故障の場合、エラーコードを表示しません。
電装系の仕様と部品の点検
スイッチは、30Aのメインヒューズを通してバッテリーから12ボルトの電力を直接供給されます。
 
スイッチのPIN 5に12Vの電圧がかかっているか確認してください。
 
スイッチを押した状態でHands freeシステム側のコネクターのPIN 6に12Vの電圧がかかっているか確認してください。スイッチを押していない状態では、電圧は0V出なければなりません。
部品が故障している場合
ハンドルのON/OFFスイッチが故障している場合は、Hands freeシステムのスイッチを使用することができます。
取り付け位置
図は、ハンドル右側のガスグリップ近くにあるON/OFFスイッチの位置を示しています。
部品の交換方法
ハンドルのON/OFFスイッチの交換は一切の合意がありません。
ハンドルバー右側スイッチを取り外すには、スクリュー (1) を緩めて外し、エレクトリカルシステムとの接続を外します。
取り付け作業は、取り外し作業の逆の手順で行い、スクリュー(1)を1.3 Nm ±10%のトルクで締め付けます(セクション
3 - 3、フレーム締め付けトルク)。
Hands freeリレー
概説
このリレーは車体のすべての装置にアンダーキー電力(Key ON +15)が供給されます。 理想的に従来の始動ユニットに代わるものです。
エレクトリカルシステム配線図
Hands freeリレーは30Aのメインヒューズを通してバッテリーから+12ボルトの電力を直接供給されます。Hands free - 3 Hands freeシステム接続上のPIN 3。 "U": アンダーキー(KEY ON +15)に12Vの電力を受け取るべき使用者。 PIN 30、赤/白ケーブル(R/W)、PIN 86、黒色ケーブル(Bk)、PIN 87、赤色ケーブル(R)、PIN 85、赤/黄色ケーブル(R/Y)
エラーコード
Hands freeシステムは、Hands freeリレーが交渉した場合にエラーコードを表示しません。
電装系の仕様と部品の点検
12ボルトの電力をエレクトリカルコイル内部に供給すると(PIN 86及びPIN 85)、リレー接続が切断されます(PIN 87及びPIN 30は継続します)。
部品が故障している場合
Hands freeリレーが故障すると、エンジンが停止するか、始動できなくなります。 Hands freeシステムはリレーを制御しません。
取り付け位置
図はハンズフリー(A)リレーのポジションを示しています。 車両の左側、前部のヒューズボックス近くにあります。
部品の交換方法
Hands freeリレーの交換は一切の合意がありません。
アクティブキー
概説
アクティブキー(1)は電波を通してHands freeと交信します。 機能させるには、アクティブキーはアンテナから1.5m以内の範囲になければなりません(アンテナは透明プレキシガラスの下部にあります)。
バッテリーが切れている場合は、あるいは、トランスミッション内部回路の誤作動の場合は、アクティブキーは送信機能で作動します(パッシブキーと同様の機能)。 この機能モードでは、キーをアンテナに直接置かないと正常に作動しません。
キーのメカニック部(2)はシートまたはエレクトリックロックのないタンクキャップを開く時に使用します。
エレクトリカルシステム配線図
この部品の電装図はありません。
エラーコード
"キー診断"エラー: "間違ったキー" キーは検出されたが、ハンズフリーシステムとの関連性がありません。 異常はインストルメントパネルをPINコードで点けた後、DDSテスターでのみ検出する事ができます。
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"キー診断"エラー: "暗号のエラー" キーに内蔵されているシークレットコードがハンズフリーシステムで承認されませんでした。 異常はインストルメントパネルをPINコードで点けた後、DDSテスターでのみ検出する事ができます。
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電装系の仕様と部品の点検
アクティブキーは3ボルトのリチウムイオン電池で作動します。バッテリーモデルは"CR 2032"です。 このコード番号で同一の電気的特徴のバッテリーのみを使用してください。
部品が故障している場合
バッテリーが切れている場合は、インストルメントパネルにその内容のメッセージが表示されます。 バッテリーを交換してください。
 
アクティブキーが機能しない、又は、認識されない場合、透明プレキシガラスの下部に置き送信モードでアクティブキーを使用することができます。
アクティブキーのバッテリー交換
リチウムイオンバッテリーCR 2032  3 Voltのみ使用してください。
参考
交換後のキーの再設定は必要ありません。
 
アクティブキーの機械部分を引き出します。
プラスチックの柄部分を、直径がある程度ある硬貨(2ユーロ硬貨)を使い、開けて下さい。図を参照。
重要
矢印で表示されている部分のみに、硬貨を挿入してください。 上記以外のもので開けたり、矢印以外の場所に挿入しないで下さい。ICや/またはワッシャープロテクターに損傷を与える可能性があります。
柄部分を外した後は、図で示すように、小さなマイナスドライバーの先をプレス回路(1)のすぐ下にいれ、回路を破損させないよう慎重に持ち上げ、引き抜いてください。
重要
小さなマイナスドライバーの先をプレス回路のすぐ下に、回路を破損させないように慎重にいれて下さい。 バッテリーおよびバッテリーケースに力をかけないで下さい。
バッテリー(2)をプレス回路(1)から抜いて、新しいバッテリーと交換してください。
電極に注意してください。 プラス(+)は向かって目に見える方になります。
重要
規定のタイプのバッテリー(CR 2032)のみを使用してください。
 
プレス回路を元に戻す時(1)には、バッテリー側から(2) 挿し、プラスチックに入れてください。
プレス回路アンテナ(3) をカチっという連結音が聞こえるまで軽く押して下さい。
二つの柄を揃え、矢印部分を押して、閉じてください。
カチッという音でよく閉じたことがわかります。
パッシブキー
概説
パッシブキー(1)はアクティブキーが正常に機能しない、又はアクティブキーがない場合に使用します。
パッシブキーは送信機を通して機能するので、作動させるにはアンテナに直接置かなければなりません。
キーのメカニック部(2)はシートまたはエレクトリックロックのないタンクキャップを開く時に使用します。
エレクトリカルシステム配線図
この部品の電装図はありません。
エラーコード
"キー診断"エラー: "間違ったキー" キーは検出されたが、ハンズフリーシステムとの関連性がありません。 異常はインストルメントパネルをPINコードで点けた後、DDSテスターでのみ検出する事ができます。
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"キー診断"エラー: "暗号のエラー" キーに内蔵されているシークレットコードがハンズフリーシステムで承認されませんでした。 異常はインストルメントパネルをPINコードで点けた後、DDSテスターでのみ検出する事ができます。
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電装系の仕様と部品の点検
部品は特別な電気的特徴や行うべき特別な点検を表示しません。
部品が故障している場合
故障した場合は、キーの再プログラミングを実施してください。
部品の交換方法
部品の交換は必要ありません。
キーのプログラミング/再プログラミング
キーのプログラミング/再プログラミングを実行するには、DDS診断機を使用する必要があります。 この診断機でキーのプログラミング手順を進めることができます。
キーのプログラミング/再プログラミングを始めるためには、少なくとも一つ以上のエンジンをかけることのできるキーがなければなりません(すなわち、キーでエンジンをかけられなければならず、PIN CODEでの始動ではできません)。 エンジンを始動させられるキーがない場合は、Hands Freeシステムを交換する必要があります。
PIN CODEのみを使用してキーのプログラミング/再プログラミングを進めることはできません。
キーのタイプ(アクティブ又はパッシブ)にかかわらず、最大3つのキーまでプログラミングすることができます。
この作業では、エンジンを始動させるキーはすべてプログラミングしなければなりません。 この作業で手元にないキーでは、今後エンジンを始動させることができなくなります(しかし、すべてのキーについてプログラミング/再プログラミングのすべての手順を繰り返せば、また使用できるようになります)。
作業中は、DDS診断機がアクティブキーも含めすべての識別されるべきキーを一つずつアンテナの上に置くよう表示が出ます。 その後、アンテナから1.5m以内の範囲にあるアクティブキーからの干渉の影響を避けるため、アクティブキーは送信機を通してのみ識別されます(アンテナに直接キーを置いた状態)。
新しく識別されたキーは、DDS診断機の"F2"ボタンを押すまでHands Freeシステムに記憶されません。 したがって、"F2"ボタンを押す前に作業が中断された場合は、Hands Freeシステムに記憶されているキーのデータが変更されません。
DDS診断機で作業を完了したら、スクリーンに表示される手順に従いすべての作業をおこなってください。
 
 
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